【終活】家族信託の注意点〜損益通算禁止について〜
家族信託は、終活でもっともおすすめしたい事項の1つです。
メリットが多い家族信託ではありますが、一点注意しなければいけないことがあります。
本日は、家族信託を検討するう上で、知っておくべき注意点についてお伝えします。
◎信託財産の損益通算禁止について
⑴所得とは
まず、収入から必要経費を差し引いた金額を「所得」といいます。
「所得」は、税法上10種類に分類され、所得税の計算は所得の種類ごとに計算します。
10種類の所得の分類を知らない方でも、事業をやっている方の「事業所得」・不動産収入がある方が対象となる「不動産所得」・主にサラリーマンの方が対象となる「給与所得」などは聞き覚えがあるのではないでしょうか?
⑵損益通算とは
「損益通算」とは、ある所得においてマイナスが生じていた場合、他の所得からマイナス分を差し引くことをいいます。
例えば、
不動産所得:△200万円【赤字】
事業所得: 300万円【黒字】
であった場合、 事業所得300万円から不動産所得200万円を差し引くことを損益通算といいます。
300万円の黒字から200万円の赤字を差し引き、課税対象の所得が100万円となるのです。
黒字の部分と赤字の部分を相殺することは当たり前では?
と思う方もいらっしゃると思いますが、税金の計算上は差し引きできるものとそうでないものがあります。
⑶家族信託では損益通算ができない!?
家族信託に関しては、租税特別措置法41条の4の2(特定組合員等の不動産所得に係る損益通算等の特例)で、信託から生じた不動産所得の損失については生じなかったものとみなされます。
よって、信託契約した不動産により発生する赤字は、他の不動産所得の黒字から差し引くことができず、純損失の繰越し控除を行うこともきません。
また、不動産ごとに別々の信託契約をしている場合には、異なる信託契約の信託不動産との損失通算ができません。
ただし、同じ信託契約で信託財産とされている不動産の損失については損益通算が可能です。
⑷まとめ
家族信託は終活の提案で最もおすすめしたい制度ですが、税金の計算上不利となる可能性があることをお伝えしました。
ただし、以下の点から家族信託のデメリットを防ぐことができます。
⑴信託財産の収支は予測できる
信託財産は契約時点で財産の範囲が明確になっているもので、予測もつかない収益が発ししたり全く予想できないような損失が発生することは通常ありえません。
事前に税理士とのシミュレーションをすれば、後になってこんなはずはなかったというようなことにはならないのです。
⑵信託を不動産収入・損失が発生しない実家に限定する
ミライエでは空き家を増やさないための「実家信託」をお勧めしています。
実家信託であれば不動産所得の計算に関することに関して考える必要がありませんし、信託のための報酬額も低額で済みます。
家族信託は当事者全員でしっかりと話し合った上で早めに行うことをお勧めしています。
認知症が発症してからでは行動できません。
ぜひ、早めの終活で安心を手に入れましょう。
ミライエ株式会社
住所: 東京都新宿区西新宿5-23-3
電話番号: 03-6773-9058
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